病気/伝染病-2/FIV感染症

猫免疫不全ウィルス(FIV)感染症

 正しい知識
猫免疫不全ウイルス(FIV)はその名の通り、免疫不全を起こすウ イルスで、人間の後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因ウイルス であるヒト免疫不全ウイルス(HIV)と近縁関係にあるウイルスで す。ただし、近縁関係といってもFIVは人間には感染しないので安 心してください。

猫が感染すると長い年月を経て免疫の力が抑制さ れ、いろいろな病原体に対し抵抗力が弱くなり、様々な病気にかか りやすくなります。そして末期の病気は人間のエイズによく似てい るため、猫のエイズウイルスとも呼ばれます。
このため、人間のエ イズと混同されたり、同居の犬や人間に危険があるのではないかと いう心配もよく聞かれますし、ひどいときには猫がエイズになった のは飼い主から移ったのではないかなどという噂が立つこともかつ てはあったようです。

しかし現在は人間のエイズウイルスも猫のこ のウイルスも遺伝子の比較ができるようになって、似てはいるが別 のものであることがはっきりわかっています。
人間のエイズ患者も その多くが、輸血などで知らずに感染した、過去の医療被害者です が、猫における感染は、やはり人間の作りだした異常な生活環境の 被害者とも言えるでしょう。猫は過密からくる喧嘩が原因で感染す ることがほとんどだと言われています。
したがって、不幸にも感染 した猫を、きたないもののように扱ったり、見捨てたりすること自 体、人間の文化程度の低さを象徴する行動といえましょう。

このウ イルスに関する限り、日本は世界一の汚染国です。
そしてその原因 は、人間の密度、猫の密度、捨て猫の多さであることは明かです。 文明国のはずの日本がこの不名誉な世界一を獲得したことで、われ われは猫とのつき合い方をもう一度考え直してみる必要があるでしょ う。

 症状
このウイルスは、陰で免疫機能を落とすという悪さをして、実際の 病気の原因となっているのは、様々な日和見病原体と呼ばれるもの です。日和見というのは、相手が強いときには何もしないが、弱く なったときにそれに乗じて悪さをすることからつけられた名前です。
たとえば人間のエイズ患者によく見られるニューモシスティス肺炎 というのは、同名の日和見病原体が原因です。猫にはニューモシス ティスは見られませんが、いろいろな細菌やカビ、原虫や寄生虫な どが日和見病原体として知られています。

感染した猫は最初リンパ 腺が腫れる程度の症状しか出さず、その後何年も無症状で健康に生 活しています。そして感染してから何年も経って、いろいろな慢性 の病気に悩むようになります。症状として、

  • 口の中や歯茎のただれ(慢性口内炎歯肉炎
  • 長く続くかぜのような症状(慢性上部気道炎)
  • 治りにくい傷
  • 持続して腫れたリンパ節
  • 慢性の下痢
  • 貧血
  • やせ衰え(削痩)
  • リンパ節の腫大
などがあります。

ただし、こ れらの症状は1つ1つは猫免疫不全ウイルスに必ずしも特徴的な症 状ではなく、別の原因でも起こるので、これらが見られたからといっ て、エイズだとは安易に診断しないようにしてください。またこの ウイルスに感染していることとエイズを発症しているということは 全く別物です。感染していても何も症状を示さずに、長い期間生き ている猫もたくさんいます。

 感染
感染した猫の唾液や血液の中にはウイルスが存在して、それが他の 猫の体内に入れば感染が成立します。どのような場合に起こるかと いえば、喧嘩による咬み傷で、とくに咬む側の口が口内炎でひどく 出血したりしていると、咬まれた猫には大量のウイルスが注射され たようになるので、かなり高率に感染します。
また喧嘩をせずに同 居している場合には、なめあうくらいではほとんど感染しないこと がわかっています。さらに雄雌が交尾しても感染しない場合が多く、 感染した母親から生まれた子猫が感染していなかったという報告も あります。

したがって喧嘩を避けることで感染はほとんど防ぐこと ができそうです。
その他輸血による感染も過去にはありましたが、 現在では検査もできるようになっているので、検査済みの輸血猫か らならば安心です。このウィルスは喧嘩による咬傷が主な感染ルートと考えられますので、家の中 だけで清潔な環境にいる猫には感染の機会はほとんどないといってよいでしょう。

 治療
ウイルスを攻撃する治療法は現在研究途上で、実際に使えるものは ありません。
発病した猫でも、全身の状態が悪くなければ、個々の 日和見感染などに対して治療を行えば、寿命も延びることでしょう。

したがってまず猫が猫免疫不全ウイルスに感染しているかどうかを 知っておくことが大切です。あらかじめ知っておけば、これから起 こるかも知れないことも大体予測がつき、治療の先手を打ったり、 手術が必要な場合でも細心の注意で望むことが可能だからです。

個 々の慢性の病気に対して治療ができるのはエイズの前の段階のエイ ズ関連症候群(ARC)の時期までで、その後もっと激しい免疫不全が 起こってエイズになってしまうと、治療は困難です。 病気を進行さ せないためにも早めな処置が大切です。

 予防
いちばん簡単で、またいちばん難しい方法、それは猫を外に出さな いことです。
外にいる野良猫は、地域によっても違いますが、 約5−10%はウイルスをもっていると考えてよいでしょう。咬ま れればほとんど感染しますのでこの数字がそのまま、猫を外に出し た場合の危険率になります。

危険を減少させる方法は、猫に喧嘩を させないことです。
それには雄猫の去勢、雌も避妊手術が第一でしょ う。

また外の猫を家で飼うことにした場合には、家に入れる前に血 液検査を受けるべきです。
野良猫の猫免疫不全ウイルス感染は、家 になついてきた猫でよく発見されます。これは実はなついたのでは なく、調子が悪くて餌を探すのがめんどうになり、人間になついて くる場合が多いからです。そして調子がもっと悪くなって病院につ れてこられる例が多くあります。

このウイルスに対する消毒は比較 的簡単です。

  • 石鹸でも
  • アルコールでも、
  • 熱湯でも
  • 日光消毒でも、
何 でも効果があります。

一般にはほかのウイルスも殺すいちばん強力 な消毒薬として、ブリーチ(洗濯用ハイターなどの塩素系漂白剤) が使われます。

 おまけ:エイズが恐くて猫が飼えるか
猫を外に出すこと自体、相当の危険を背負っていることを知ってい ますか? まず交通事故、迷子、喧嘩、拾われる、その他もろもろあ ります。ですからこれらの危険に比べて、猫免疫不全ウイルスに感 染すること、そして感染した何%かの猫がエイズにまで進行するこ とは、大した問題ではないでしょう。

また家の外が猫過密の状態で なければ、感染の危険性も非常に少ないと思われます。
外の猫の平 均寿命は、室内飼育の猫に比べ、はるかに短いことが知られていま す。やはり若いときに雌を求めて放浪したり、交通事故に遭ったり することが多いからでしょうか。

エイズという病気は、何年もかかっ てだんだんに免疫が障害されてゆく病気なので、交通事故で死んで しまうほうがむしろ先かも知れません。
猫にとって良い環境に引っ 越すか、家の中で十分な愛情をもって猫と同居するか、頭の痛い問 題ですね。


病気/伝染病-2/ FeLV 感染症

猫白血病ウイルス感染症
 症状
猫白血病ウイルス(FeLV)という名前から想像できるとうり、白血 病の原因となりますが、白血病よりむしろ多いのは、貧血や免疫力 の低下、流産、腎臓病など様々な病気です。このようにいろいろな 病気の原因になるため、特に若い猫の死亡の原因として重大なウイ ルス感染症です。ただし感染しても発病しなかったり、治ってしま う猫もたくさんいることも事実です。

このような性格のウイルスな ので、症状といってもひとことでは言い表せません。感染して最初 の1-2カ月は、熱が出たり食欲がなかったりというように他のウイル ス感染と同じような症状ですが、重大な病気はもっと後になってか ら出ます。

  • 直りにくい慢性の病気、
  • 傷が治らない、
  • 常に病気がち、
  • 歯ぐきが白くふらつく、
などの症状がみられるのは明らかに重大な 病気のサインです。病院で診察してもらい、このウイルスの検査を 受けるのがよいでしょう。

 伝染と発病
感染猫と同居していたり、長い時間一緒にいたりして、なめあう ことによって感染します。したがって道ですれ違った程度では感染 しない、比較的伝染力は弱いウイルスです。
また人間や、犬には感 染しません。人間の白血病ウイルスとは全く別のウイルスです。

猫 はこのウイルスに感染すると体の中の免疫と激しい戦いが起こり、 免疫が勝つとウイルスは消えてしまい、免疫が効果的でないと持続 感染というウイルスの居座り状態が作られます。これは感染したと きの猫の年齢と深い関係があります。

生まれたてで感染するとほぼ 90%が持続感染になり、このような猫は発病しやすく、若いうちにほ とんど死んでしまいます。ところが離乳期を過ぎて感染した場合は 約50%しか持続感染になりませんし、1歳以上の猫では10%しか持続感 染になりません。
したがって自然に治ってしまう猫がかなり多いと いうことです。感染した猫を発見する血液検査で4カ月以上続けて 陽性の場合、持続感染と判定され、そうなるとウイルスは一生消え ない可能性が高いとされています。しかし、持続感染していても健 康で何も症状も出さない猫や、突然ウイルスが消えてしまうものも いるので、家の中で飼い、定期的に病院で診察を受けましょう。
い ろいろな病気が起こるにしても、治療には早期発見が大切です。  

 予防
感染源と接触させないというのが、最も有効な予防です。
その為 には、家から出さないようにしなければなりませんが、色々な理由 から外に出るようになった猫を飼育されている場合は、ワクチン接 種をお勧めします。但しワクチンの効果は100%と言う事はあり 得ませんのでワクチン接種のつどウィルスに感染していないかどう 検査する必要があります。これに対し室内飼育のみで他の猫と接触 する事がなければ予防効果は100%です。
又、感染した猫は唾液の中にウイルスを出すので、同居していて常 になめ合っていれば感染することがあります。家の中に猫白血病ウ イルスに感染した猫がいる場合にはワクチン接種をするか部屋を分 けたりする必要があるでしょう。

猫白血病ウィルスワクチンについて
一昨年と今年になってあいついで「FeLVワクチン」が発売されFeLVの予防が 出来るようになりました。
現在日本で発売されているFeLVワクチンは2種類で一つは、白血病ウィルスの一部分を抗原として用いるサブユニットワクチンと言われるものと、もう一つは、全ウィルス成分を不活化したいわゆる不活化ワクチンと言われるものとがあります。
副作用については、3種混合ワクチンと同様です。

 
◎どのような猫が接種した方がよいのでしょうか?  
猫同士、接触する可能性のある猫は接種をお勧めします。
 (日)外に出る猫。
 (月)室内飼育でも白血病ウィルス陽性の猫と同居している場合。
 (火)外から猫が入って来る事がある場合。  
◎接種しなくてよい場合はあるのでしょうか?   
他の猫とまったく接触する事がなく完全に室内で飼育されてる猫。  
◎接種プログラムはどのようにしたらよいのですか?   
初回の接種年齢は、生後2ヶ月以降です。
 まず、接種前にすでに猫白血病ウィルスに感染していないか検査します。
 陰性なら第1回目の接種をします。
 1ヶ月後に2回目のウィルス検査をします。
 陰性なら第2回目のワクチンを接種します。
 もし検査で陽性の場合は、接種しません。

 猫が他の猫と接触する可能性のある間は、毎年1回追加の接種を行います。
 追加接種の際も必ずウィルス検査します。  

 
  ウィルス検査→陽性→ワクチン接種なし
         ↓
     陰性
         ↓
  第1回目ワクチン接種
  ↓(1ヶ月後)
  ウィルス検査→陽性→接種中止
     ↓
     陰性
     ↓
  第2回目ワクチン接種
◎何故、ワクチン接種毎にウィルス検査をするのでしょうか?   
現在使用されているいかなるワクチンにも予防効果が100%のワクチンはありません。予防効果が1年間もたなくて効果が切れたところで感染するかもしれません。ワクチン接種の時もしFeLV陽性になっていた場合は、ワクチン本来の効果は期待できません。もし陽性になっていたらその時点で、接種は中止した方がいいでしょう。
 

 治療
血液検査の結果猫白血病ウイルスに感染していると判定された場 合には、体の中で目には見えない障害が起こり始めている可能性が あります。外に出て悪い病気を拾ってこないように、また他の猫に ウイルスをうつさないように、家の中で生活させてください。

治療としてウイルスを打ち負かす治療法はありませんが、ウイル スは裏で暗躍しているだけで、現在の病気には直接原因ではい場合 も多いので、そのような場合には現在の病気に対する治療で、状態 がよくなることもあります。白血病があれば人間の場合と同じよう な化学療法を行い、激しい細菌感染があれば抗生物質の投与を行う というように、個々の病気に対応した治療を行います。

ウイルスに 感染しているから、白血病ウイルスだから、人間に移るとあぶない から、そんな無知な理由で治療をあきらめてはいけません。猫にも 治療を受ける権利があります。

 おまけ: FeLVが恐くて猫が飼えるか!
現在ではウイルス検査もよく行われるようになり、多頭飼育のと ころでも猫白血病ウイルス感染を見ることは少なくなってきました。 外を歩いている野良猫も、成熟したものはたいてい生き残った強い 奴ですので、猫白血病ウイルスに感染している可能性は低いもので す。

野良猫を検査すると感染しているものはたぶん2%位かそれ以下 だと思われます。そして今いる飼い猫が1歳以上の成猫だとすると、 感染しても持続感染になる率は10%以下です。
すなわち感染猫と出会 う確率x持続感染になる確率は0.02x0.1=0.002すなわち0.2%とずいぶ ん低いことがわかります。そしてその猫が運悪く感染した場合白血病 になる確率は20%程度とすると、外に行ってウイルスをもらって、そ れが持続感染になって白血病になる確率は、さらに0.2をかけて0.0004 となってしまいます。

ただし家の外の病原体は猫白血病ウイルスだ けではなく、もっと危険なものも沢山あることを忘れないでくださ い。


病気/伝染病-2/猫伝染性腹膜炎

猫伝染性腹膜炎
 症状
猫伝染性腹膜炎(FIP)は同名のウイルスが原因で 起こる伝染病で、名前の通り腹膜炎を起こして腹に水がたまるもの、 また胸に水がたまり呼吸が苦しくなるものがあります。また水はた まらずに腎臓や肝臓にに硬いしこりができるものもあります。同時 に元気、食欲はなくなり、熱の為にぐったりすることもしばしばあ り、体全体としては痩せてきます。下痢が続くことや、肝臓や腎臓 が悪くなることも多く、全身的な重い病気になり、死亡率は高いと されていますます。
病気が脳に起こると、マヒやけいれんなどの症 状が出て、また眼に炎症が起こって濁ってくる場合もあります。

病 院では、このような症状、血液検査、腹水などの検査、ウイルス抗 体検査を総合的に判定して診断を行い、さらに全身状態を評価した 上で治療が可能かどうか判断します。

 伝染と発病
猫が集団で生活している場所には必ずといってよいほどこのウイ ルスは蔓延しています。したがって多くの猫がこのウイルスに感染 するのですが、ウイルスに感染しただけでは発病しません。この病 気は、ウイルスに対する異常なアレルギー反応が原因です。ほとん どの猫は感染してもウイルスを自分の力で殺してしまい、いつの間 にか感染は終わってしまいます。

一部の猫だけがなぜ発病するのか はよくわかっていませんが、多分ストレスその他のファクターが一 緒になって発病するのだろうと考えられています。ですからワクチ ンがない以上、猫を感染から守るのは事実上不可能で、むしろ過密 や他のウイルス感染などのストレスを避けた飼育環境が大切です。 外からの猫出入りがない家の中だけで飼っている猫ならば、毒力の 強いウイルスとの接触は避けることができるでしょう。

猫がこのウ イルスに感染したことがあるかどうかは、血液の抗体検査でわかり ます。抗体をたくさん持っている猫は現在ウイルスが体内にいる可 能性があります。そのような猫はウイルスを便の中などに排泄して いる可能性も考えられます。

 治療
本当に有効な方法がまだ見つかっていないので、症状を和らげる 対症療法が主体となります。 猫の体内のウイルス自体を殺す薬はな いので、病気の進行を遅らせ、体内の炎症などによる猫の不快感を ある程度改善することが治療の目的となります。

獣医師はそれぞれ の場合に最も適切な治療法を選びますが、完治の為の治療ではない ことを理解して下さい。また貧血や神経症状が進んだものでは、治 療が特に難しいものと思われます。

 おまけ: FIPが恐くて猫が飼えるか
伝染性腹膜炎という恐ろしい名前の病気ですが、不幸にして発病 する猫は、それまでの飼育環境など、いろいろのファクターを考え て見ると、やはりそれなりの発病要因があるようです。東京地方の 猫は半数以上が血清検査でこのウイルスの感染が発見されますが、 実際には全部猫伝染性腹膜炎を発病するわけではないのです。ほと んどの猫は血清検査を繰り返し行うと、ウイルスがなくなって抗体 が消えて行ってしまいます。

それではどのようなことに注意した らよいのでしょうか。
まず猫白血病ウイルスなど他のウイルスに感 染しないようにすることです。これには感染した猫と接触させない のが一番です。それから集団飼育の場合には、猫同士の関係からく るストレス、換気、過密、騒音など他のストレス要因も十分考慮し ます。

猫は本来集団で生活する動物ではないので、集団の中でのウ イルスの広がり、集団の中でのストレスなど、どうもこの病気は人 間が作り出したような気がします。たとえ外に出ている猫でも、の びのび暮らしているならばこの病気は非常に少ないと思われます。


病気/伝染病-2/トキソプラズマ症

トキソプラズマ症(Toxoplasmosis)

動物から人間に感染する伝染病として有名です。トキソプラズマと 呼ばれる原虫が原因の病気で、この原虫は多くの温血動物に感染し ますが、猫科動物だけが便の中にオオシストと呼ばれる卵のような ものを排泄するので、特に重要視されています。

猫は感染したネズ ミなどの小動物や豚の生肉などを食べて感染し、感染後の1−2週 間便の中にオオシストを排泄します。オオシストは土の中で数カ月 生存して、その間に他の動物の口から感染します。感染した猫は無 症状であったり、肺炎、肝障害、神経症状、眼症状、下痢など様々 です。

人間への感染は、豚の生肉を食べたり、猫の便中に排泄されたオオシ ストが口から入って起こりますが、大人では免疫抑制状態以外では 症状はでることがありません。ただし、感染した母親から、胎盤を 通して胎児が感染すると、激しい病気になることがあります。
した がって、妊娠中に初めてトキソプラズマに感染すると、胎児の死産、 流産、脳水腫などの恐れがあります。しかしながら、過去に感染して しまっている女性の場合には、免疫ができているので、妊娠にはまず 問題ありません。

人間が猫の便からトキソプラズマに感染するかどうかは疑問視されて いますが、少なくとも可能性はないとはいえないので注意するに越し たことはありません。妊娠している女性は、猫の便を片づけたりしな いよう、また猫には生肉を与えたり、ネズミをとったりしないよう注 意すればよいでしょう。

便の中のオオシストは、2日以上たたないと 感染力を持たないので、放置しないで毎日片づければ安心です。便器 の消毒を行いたい場合には熱湯消毒がよいでしょう。

最後に注意をもう1度。トキソプラズマ症の予防には、猫以外の原 因も大変重要です。豚肉にはよく火を通して調理してください。そ して、便はすぐ始末するように心掛けて下さい。

蛇足:猫の便は生で口に入れるようなことはしないでください。


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