イエネコ (Felis Catus) の祖先
現在家庭で飼われている猫(イエネコ:Felis Catus)の祖先はアフリカ・ヤマネコ (F. silvestris lybica) だという説が最も一般的で、その分化の時期は4000〜8000年前頃だろうといわれます。
このアフリカ・ヤマネコ(リビカ・グループ [Lybica Group] とも呼ばれる)は2万年ほど前にヨーロッパ・ヤマネコ (F. silvestris silvestris) から分化した亜種だといわれ、 体型はヨーロッパ・ヤマネコより小型になり、野性猫のなかでは比較的飼い慣らしやすく、仔猫のうちから始めれば「イエネコ」のように飼うことができるといいます。
また、このアフリカ・ヤマネコを家畜化したのは古代エジプトだろうと言われますが(異論もないわけじゃない)、
  • イエネコの野生猫からの分化の時期が遅く、結果的にその祖先種との相違が少ない
  • イエネコは人の手によって世界各地に広まったと考えられてますが、そうしたイエネコと各地方の野生猫との間で交雑が繰り返されている
などの理由で、祖先種の確証を得るというのもなかなか難しいようです。


the Wildcat: Felis silvestris の分類
1. F. silvestris silvestris: ヨーロッパ・ヤマネコ (Silvestris Group)
F. silvestris silvestris
sub-species:
F.s.caucasica - コーカサス地方,トルコ
F.s.cretensis - クレタ島
F.s.grampia - スコットランド
F.s.jordansi - バレアレス諸島
F.s.reyi - コルシカ島
F.s.silvestris - ヨーロッパ


2. F. silvestris lybica: アフリカ・ヤマネコ (Lybica Group)
F. silvestris lybica
sub-species:
F.s.foxi - アフリカ西部
F.s.cafra - アフリカ南部
F.s.griselda - アフリカ中部
F.s.lybica - サハラ砂漠
F.s.mellandi - アフリカ中部
F.s.ocreata - アフリカ中東部
F.s.pyrrhus - アフリカ中西部
F.s.sarda - アフリカ北西部
F.s.ugandae - アフリカ東部
F.s.brockmani - アフリカ東部


3. F. silvestris ornata: アジア・ヤマネコ (Ornata Group)
F. silvestris ornata
sub-species:
F.s.caudata - カスピ海沿岸部
F.s.ornata - インドからイラン
F.s.shawiana - 中国, モンゴリア



分類法には統一されたものがなく、ここでは下の2つのサイトを参考にしています。

キプロス島の化石

地中海の東端にあるキプロス島 (Cyprus) から出土する「猫-ネズミ-人」の化石は今から8千年ほど前がリミットで、それ以前には猫もネズミも人間も住んでいなかったと考えられています。つまり、この3種の化石群が同時期(8千年前)にセットのようにして現われることから、猫もネズミも人によってキプロス島に持ち込まれたと考えられているわけです。
これだけではもちろん「飼い猫」だとは言えませんが、人の生活空間の中に猫が登場するのは、考えられている飼い猫の起源期よりはかなり古い感じがしますね。

寄り道:
キプロス島はヴィーナス誕生の伝説を持つ。


古代エジプト起源
一般的に、飼い猫の始まり話しは古代エジプトから、農耕とセットで始まります。これは「動物の家畜化」という動機の問題、つまり穀物をネズミなどのゲッシ類から守るという害獣対策が猫を手なずける大きな動機になるということ。そして、古代エジプトでの農耕の発達と、遺跡から大量の猫の足跡(彫像や絵など)が見つかっているからでしょうね。これに従えば、「飼い猫」の始まりは、
  1. 今から約4〜5千年前頃、
  2. 古代エジプトで、
  3. 穀物をネズミ(げっ歯類)などによる被害から防ぐ為に、
  4. アフリカ・ヤマネコ(リビア・ヤマネコ)を、
  5. 保護し、あるいは仔猫のうちにを捕えて飼育するなどして、より人間生活に密着した猫をブリーディングしていった。
これが最も一般的な猫の起源話しです。

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